2024年5月12日日曜日

(9)PENGUIN (1973/3/1)

 (9)PENGUIN(Reprise:K44235) 1973/3/1









A)①Remember Me②Bright Fire③Dissatisfied④(I'm A)Road Runner

B)①The Derelict②Revelation③Did You Ever Love Me?④Night Watch

 ⑤Caught In The Rain

ダニー・カーワンを解雇したバンドは新たに元サヴォイ・ブラウンのデイヴ・ウォーカー(vo)、元アシュカン、アシュマン・レイノルズのボブ・ウエストン(g,vo)を加え第8期をスタートさせました。ここには元サヴォイのマネージャーだったジョン・クラージュがスタッフとして加わった事もあったかもしれません。Rolling Stone Mobile Unitを彼らの根拠であるハンプシャーのベニフォールドに持ち込んでのレコーディングとなりました。

結果としてウォーカーのvoスタイルはバンドに合わず短期間での脱退となりました。ジュニア・ウォーカーのカヴァーA④は悪くはないですが当時のマック的ではないですし、カントリー的なB①もちょっとビミョー。A④ではウォーカーはharpも吹き、ウエストンはB①でbanjoとharpを担当。

ざらついたウエストンのスライドで始まるA①はクリスティンが書いたナンバーでそれまでにない明るさがあります。短い曲ですが印象に残ります。米ではシングルカットされました。

クリスティンが歌う他のA③B③のどちらも泥くさいだけでなくポップな味わいがあってソングライティングのセンスが前作から一つ高いレベルに上がっています。ウエルチとの共作になるB③はシングル曲(英米で同じ曲がシングルになるのは”Manalishi”以来)。steel-dsが使われています。

前作「Bare Trees」でもmelotronを使った”The Ghost”がありましたがウエルチの書いたA②もこの楽器のflute的な音が効果的に使われてサイケ風味を高めています。ボブ・ウエルチ曲で、やや”Future Games”に通じるメロディー。マクヴィーのbassが心地いい。

B②はアフリカン・リズムのものでこの路線はしばしばダークな曲の印象を受けます。B③はスティーヴ・ナイ(organ)が参加。この人をを正式メンバーと書いてるものもありますがどうか不明。参加したのはこの曲のみ。エンディングのgソロはピーター・グリーンで前回のツアー参加のお礼の意味もあったようです(ただ病状は良くなったとは思えません)。

B⑤はちょっとミニマルなムードのマックにしては珍しい曲でボブ・ウエストン作。これはこれで珍品なんですがリンジー期の小品にムードが似てます。


prodはバンドとマーティン・バーチ。シングルは英米不発でしたが米49位までアルバムは上がりました。5月までツアー(この頃はメインは全米ツアー)が続きウォーカーが脱退し、第9期となります。


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