2024年5月11日土曜日

(7)FUTURE GAMES (1971/9/3)

 (7)FUTURE GAMES(Reprise:K44153)1971/9/3










A)①Woman Of 1000 Years②Morning Rain③What A Shame④Future Games

B)①Sands Of Time②Sometimes③Lay It All Down④Show Me A Smile

スペンサーの離脱に伴う71年の米ツアーを、元メンバーのピーター・グリーンの起用で乗り切ったバンドは、もう一人のgtrの必要性を感じ、スタッフのジュディ・ウォン(”Jewel Eyed Judy”で歌われた人)の推薦でアメリカ人ボブ・ウエルチ(70年にヘッド・ウエストというR&Bタイプのバンドをやってた人で仏Vogueから1枚LPを出しています)を起用しレコーディングに入ります。第7期のスタートです。

先のシングル”Dragonfly”にも通じる霧がかかったようなサウンドメイクがこの時期の特徴。A①はカーワンが書いた最高の名曲の一つでソフトな音作りが印象的で3人ハモれるのも魅力。「エコーを積んだアコースティックギターとエレクトリックギターの気だるい海に浮かんでいる」という批評もありました。

すでにツアーで披露されていたA②は”Start Again”というタイトルだったのだとか。大方のファンはクリスティンのチキン・シャックでの活躍やソロでのヒットを知ってたんで強力なメンバーの補強と喜んだことでしょう。スモーキーな歌声を聞かせるブルージーなナンバーです。動画はBBCライヴから。

A③はR&B~ジャズ的なインストで2分台に編集されていましたが、20年のリマスターでボーナストラックにロング・ヴァージョンが収録。何と歌入りでウエルチが歌いますし、長いイントロ(この部分は冗長)付。saxはクリスティンの兄ジョン・パーフェクトで、後年クリスティンのソロのprodを手掛けます。


タイトル曲A④はウエルチ曲で無名の新人ながら並々ならぬ才能を見せた美メロです。後年ソロでも再演します。カーワンの①はフェードインするイントロからしてミスティックな音作りが成功。決して明るくないメロディーですが、それでも以前よりは明るい。米で編集されてシングルになりましたが、本国ではアルバムの売り上げも不調で(英ではチャートインせず、米91位)シングルはありませんでした。2作続けての米高英低なのでアメリカのマーケットに目標を絞ることも考え始めたのでしょう。


B③はR&B的なもので元々は”Moses”のタイトルだったよう。ボックス「Chain」でも未発表ヴァージョンが入りましたが、BEAT CLUBでの演奏の動画がありました。


B④はリマスターで別ヴァージョンが発掘されてますのでそっちを貼っておきます、クリスティンが歌うメロディアスなもの。後ろで鳴っているカントリーっぽいgが心地いい。

そのリマスターではウエルチ作の”Stone”も発掘されています。ボツにするにはちょっと惜しいナンバーです。


アルバムジャケはミック社長の妹サリーが撮った写真が使われ(子供たちは社長の子供たち?)、裏にはメンバーのフォトと簡単なプロフィールが。なぜかマクヴィーのとことはロンドン動物園のペンギンで、バンドのロゴにペンギンが使われるのはもう少し後になります。日本盤等はクリーム色の裏地が一般的でしたが、英米ともモスグリーン色の裏地でした。

prodはバンド自身。エンジニアにはマーティン・ラシェント(後年ストラングラーズ、バズコックスを手掛けるprod)の名もクレジット。

新作に合わせて古巣がベスト盤をぶつけるというのはどこの世界でもよくありますが、Blue Horizon音源を持った英CBSが同じ9月に「Greatest Hits」をリリース。Reprise音源の”Dragonfly”まで入った12曲で皮肉にもこっちの方が英36位と好調でした。

前後しますが英CBSは5月にもBlue Horizon時代の未発表曲集「Original Fleetwood Mac」をリリースしています。

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